書評: インタフェースデザインの心理学

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

原著名は「100 Things Every Designer Needs to Know About People」。UX のデザインから UI の詳細仕様検討にまで使えるヒントが心理学の視点から掲載されています。「インタラクションデザインの教科書」と同様、スキルや手法ではなく指針や考え方、利用すべき法則について書かれています。頭の引き出し、かっこよく言うと思考のフレームワークを増やすことができる本かなと思います。

内容は大きく分けて 2 つ。ひとつはフォントによる可読性やマジックナンバー、フィッツやヒックの法則といった UI の設計作業に直接的に関わるトピック。もうひとつはやる気や感情、決断の心理状況が書かれた、どちらかというと情報設計や作業手順など、全体的な UX に関わるトピックがあります。

UI 設計をしていると「クリック数を少なくしたい」「メニューの項目を7±2以内におさめたい」という要求やレビューが顧客やチームから上がってくることがあります。この本はこのようなステレオタイプのお作法に対し「クリック数が多くても確信が持てる作業だと喜んで作業するよ!」とか「チャンクを分ければ7±2にこだわる必要はないよ!」という答えを教えてくれます (実験で証明されているよーって)。また、プログレスバーに時間や % を表示すべき理由など、UI とその意味について教えてくれるトピックが多数です。あ、このあたりについては「デザイニング・インタフェース」にも似たようなことが書いてます。こちらは観点が UI なので、両方読むと理解が深まります。たぶん。

UI 屋さんはウホウホグフフと喜びながら読める本かと思います。また、UI とか UX あたりの業界人なのに行動経済学とか聞くとビクンビクンしちゃうあなたにも似た感覚を与えてくれる本かと思います。そして、このへんの知識に詳しい方でも事例が物語で書かれていたり例示のスクリーンショットや写真が新しいものばかりなので楽しめる気がします。

ということで、この本今から買うことにします (図書館で借りたのでした…)。